第6回フォレストガーデンプロジェクト定例会レポート その壱

第6回フォレストガーデンプロジェクト定例会 レポート その壱

#グランドデザイン #里山ミーティング  #柿渋

今年1月からお山全体の里山保全活動としてスタートした、フォレストガーデンプロジェクト。
第6回目を迎える活動。
新しく参加の方々も多くあり、プロジェクトが目指していることやグランドデザインを、
ご参加の皆様と共有し、またそれぞれの方々がお持ちの思いやヴィジョンも場に出していただく
里山ミーティングを行いました。

8/19(土)午前中
柿渋づくり用の青柿採り。
お山に10本ほど植えられている柿の木。どれも40年以上のベテラン渋柿。今年もたくさんの実をつけています。

お盆を過ぎると青柿はタンニンをその実の中に豊富に蓄え始めます。そのタンニンの渋みを発酵させて、天然の防水剤として作られてきたのが柿渋です。

フォレストガーデンプロジェクトでは、今後の活動の中で休憩所や調理の場としてあずまやを建てる計画があります。そのあずまやの木材に防水剤として使うための柿渋。お山で採れた材を里山活動に関わる人たちの手で作っていく。
循環するお山の恵み、フォレストガーデンプロジェクトの根幹です。
参加者の方の中にスコップ使いの達人がいらっしゃいます。柿の果樹エリアに入る斜面の階段づくりをお願いしましたら、木の根を上手に利用されてしっかりしたアプローチをあっという間に拵えて下さいました!
渋柿の木のエリアには旬を迎えたイチジクの木も10本ほど。
食べごろの実の見分け方をご参加の方々に見ていただいて、実際に採れたてイチジクをご堪能いただきました!
このイチジクはおおよそ樹齢30年。
数十年先にも食べられるものを未来の子孫たちに、と植えられた先代の思いと慧眼に頭が下がります。
イチジク / ミント水 / 赤紫蘇シロップ
今回のお山ドリンクは、裏庭からの摘たてミントをお水に漬けただけミントの香りミント水と、お山に自生している赤紫蘇とメープルシロップ、シークワーサージュースで作った、赤紫蘇シロップ。今が旬の赤紫蘇が大地から吸い上げたミネラルをいただきます。
 
山を降りてシェアハウスにてお山の恵みのお昼ご飯。
炊きたてご飯でおむすび大会。
具材は、菜園で育ったえごまの葉の味噌炒めとおかか梅の2種。
アチアチ、とあたふたしながら結ぶ人あり、静かにサクッと結んであるおむすび達人あり。
お庭で採れた荏胡麻の葉で包んだ旬の香りのおむすび

 

人の数だけおむすびの形がある。
おむすび大会は今後毎回実施を決定しました!
旬の茄子と厚揚げのお味噌汁、ひじきとかしわの炊いたん、かぼちゃの炊いたん、などなど。
デザートには谷口さんのお土産の伊万里梨。
 
お腹がくちくなったところで、里山ミーティング開催。
活動の現場となる里山には、多種多様な動植物が元気に息づいて賑々しく豊かな自然の営みが見られます。
そして、山主の谷口さんのおじいさま、おばあさま、その前のご先祖の方々の智慧と工夫、思いが脈々と生かされている、
ひとと自然の調和のとれた里山空間です。
やまは、人の手が入らなくなるとあっという間に森に還っていくという性質を持っています。
里山は、そんな力強い自然の生態系とひとの営みをつなぐ中間地。
循環型の持続可能な農的活動など、ひとの営みが続いていくことで保たれる里山空間。
フォレストガーデンプロジェクトは、100年先に里山というひとと自然の調和のとれた空間を、そしてそこに息づく生物の多様性を継いでいく活動。
参加する人たちお一人おひとりの力と思いで育っていく里山です。
 
ご参加の皆様から、プロジェクトのお山を通じて持つことになったお一人お一人の里山観を共有させていただきました。
・ワクワクする場所。
・何かが育っているところ etc…
<続く>
防猪の夏 電柵ピリリ

防猪の夏 電柵ピリリ

8/16 防猪第2弾。 棚田周囲を一周する電柵の電源を新調。ようやく微電ながら電柵が機能し始めました。
かなりの距離になるため、電圧が上がらないのだそうです。チェッカーで見ると2000vにも達しておらず。。

棚田4枚をぐるりとかこうように電線を張るためには、まず周囲部の草刈り作業から。
棚田、ということは平坦なところはほぼ無く。。。周りは土手や70度くらいはあるのでは、という急斜面、田圃の水路などなど。。
張り終えた電線をつないでスイッチをonにしたところ、どうも機能していない様子。

電池を求めて翌日、JAの農機具販売所へ。
たまたまメーカーの方がいらっしゃり、詳しく伺ったので備忘録です。

  • マンガン電池(定価¥4320)は2ヶ月で交換必要 (昼夜連続使用では1か月)
  • このアニマルキラー一体(本体標準価格¥45,780)で送電できる電線距離は3.5キロメートル
  • 外部端子で接続すれば、12vの蓄電池(車用)を電源として使用可!

そして、製品の取扱説明書もいただいたので読んでみると、斜面からは少し場所を空けることを推奨している記述が。
斜面の上の方から猪突猛進してきた勢いで柵がなぎ倒されてしまうのを防ぐため、だそう。

やはり、トリセツは大切です。

新調した電池で無事に電流が流れ始めました。あっさり。

電柵の装置を増設するには4万円以上かかります。竹や木材を使った柵の設置など、電柵以外の方法も模索してみたいと思います。

お百姓先輩からの耳より情報で、猪は竹が置いてある地面を好まないとのこと。
早速電線の真下あたりに筏のように並べてみました。


侵入しようとした時に竹がコロコロ回転して、スッテンコロリしてくれることを期待しています。

(定点カメラを設置してその瞬間を見てみたい!!)

猪さん方いらっしゃ〜い!箱罠設置!

 

8/4(金)田んぼに侵入した猪の痕跡発見!

5月に田植えした一番上のコシヒカリの棚田にイノシシが侵入してしまいました。。。
かなりの踏み荒されよう&順調に出穂して生育していた籾が食べられてしまっています。。。。。

電柵張りも大量の下草で思うように捗らないでいた8/8に、素晴らしい救世主が!!

宗像の光岡地区で無農薬のお米づくりをされている「農業福島園」の福島さんに箱罠を設置していただきました!!!


箱罠猟の免許もお持ちの福島さん、以前に仕掛けていたお山からの罠移設を考えておられたタイミングと大穂のお山の防猪ニーズがぴったり合いました!!

 

まずは、今までの仕掛け先からの箱罠運び出し。
底に敷き詰められた土を取り除くと100kgほどになる箱罠を軽トラに載せるために、ささっと設えられた竹の滑り台。切り出した竹をガードレールに固定して作られています。ある物で道具を作り出す現場力そしてチェーンソーを小刀のように自在に扱うそのお姿に農家さんの百姓力を魅させていただきました!!

竹の滑り台
竹滑り台を降りる箱罠

 

Forest Garden Projectの行われている里山は、棚田を囲う谷間地にあります。樹木が生い茂る山稜部は隣の集落の山林と繋がっています。猪や鹿、穴熊などの野生動物は山林部を伝って、縦横無尽にこの辺りを移動して暮らしています。山林部は野生動物の居住区。圃場や棚田のあるエリアは人の暮らしの場。人の暮らしの場と動物の場との間に人の営みの場を置き、一線を画しつつ共存する、それが里山。

人の暮らしの場である田圃に野生動物が自由に出入りしなくなる仕掛けの一部として、電柵や箱罠があります。

 

棚田の土手の上の段のエリア、先代の山主さんの時分には里芋畑であった泥濘みやすい圃場。今は間伐杉の丸太が置かれた広場になっています。

その広場に5〜6つの新鮮な「ぬた場」を発見しました。
(ぬた場:「沼田場」猪や鹿など野生動物がぬかるみに体を擦り付け体についた虫や汚れを泥に落とす場所)

そしてこの広場の直下にあるのが、今回猪の被害にあっている最上段の棚田。防護対策は急務。

山林部から棚田方面へとつけられていた猪の通り道やぬた場との位置、そして軽トラから上げ下ろしし易い場所を選んで箱罠を設置しました。

まずは草刈り。福島さんの刈り払い機の扱いがとても無駄がない動きで参考になりました!

 

設置した箱罠の底部の金属の部分が全て覆われる位まで土で覆います。

福島さんから、設置の方法と罠の仕組みのガイダンスを受け、何度か自力で仕掛ける練習をしました。

設置してから1〜2ヶ月はその場に馴染ませるために放置。(すぐには掛からないそう。。。)

あとは罠の周りと罠の中に餌となるトウモロコシや米糠を撒いて、ひたすら待つ。

猪さん方いらっしゃ〜い!