第13回定例会 その二 2018年3月18日

第13回定例会二日目も晴天に恵まれました。

この日は、お山の憩いの場と醸し場となる、風の間、土の間を備えた小屋作りの土台編。

小屋を支える12本の柱土台のセメント打ち。

先月、手始めにと1本だけセメントを打ち込んだボイド管の土台はひと月経って十分乾燥しました。

が、残りの11本の柱穴には、連日の豪雨が注ぎ込み、井戸のような状態に。。。

給油用として市販されている乾電池駆動の簡易電動ポンプを利用して、水の掻き出し。

ポンプの長さが穴の底まで届かず、最後は手で掻き出すことに。。。

砂利とセメント材を、お山の朝井戸から汲み揚げた水で練る。手作りのセメント。

穴とボイド管の隙間に砂利を敷き詰めて沈下防止措置を施した後、土を入れ踏み固める。

ボイド管の中に手作りの鉄骨を仕込み、手作りのセメントを流し入れる。

この日で6本の柱土台のセメント打設作業ができました。

お山の恵みランチ(通称ノマメシ)。

野間本体はマルシェに出張のため不在でしたが、ノマメシはお山で皆様の胃袋に収まったようです。

・鐘崎漁港の生芽かぶと玉ねぎ、椎茸の味噌汁

・鐘崎漁港の生芽かぶとえのきの柚子胡椒和え

・里山野草シャクと大根、鳥手羽の炊いたん

・アルゴビ(カリフラワーのスパイス炒め)

・竹松さんの茹で上げブロッコリー

・川上さんのお米の7分搗きご飯

・大穂の平飼い鶏の卵と蓮根、里山カラスノエンドウのスペン風オムレツ

 

古賀で開催されたオーガニックマルシェ「日土水市(ひとみいち)」

福岡東部(新宮、古賀、福津、宗像、芦屋など)の、循環型で自然な暮らしを目指す人たちが集うマルシェ。

こちらに、むなかたフォレストガーデンとして、里山活動のお披露目と里山の恵みサンドウィッチと里山のよもぎ茶と里山柑橘のドライフルーツを合わせたフレーバー野草茶で出店してきました。

マルシェ出店の方々やマルシェに来られた方々とお知り合いになれてとても良い出会いの場となりました。

「日土水市(ひとみいち)」次回は秋に開催予定です!

マルシェ出店者の「自家製酵母パン なないろ」さんとのコラボサンドウィッチ。 「なないろ」さんのモチモチ自家製天然酵母のライ麦パンと全粒粉パンに、里山の食用野草カラスノエンドウと野蒜が入ったスペイン風蓮根オムレツと、里山育ちの蚕豆と棈松さんの大豆、小豆のペースト(フムス風)をそれぞれ、無施肥無農薬栽培の焼きケールで包み、ホットサンドにして。
一年のうちで最もパワーがあると言われるよもぎの新芽。 2月の終わりから3月までのよもぎの新芽だけを集めて、よく洗い、選別した後、2時間から5時間みずに晒し、蒸したあとに数日天日干ししたもの。 マルシェ当日、持参したロケットストーヴで焙煎。 新芽のよもぎ茶に、里山で育った無施肥無農薬栽培のネーブルとポンカンのドライチップを浮かべたフレーバーティ。 鎮国寺さんの清水で沸かしてお淹れしました。

 

 

 

第13回定例会 その一 2018年3月17日

第13回定例会 その一 2018年3月17日

3/17(土)18(日)は、フォレストガーデンプロジェクトの里山活動定例会でした。
昨年までは土日に雨天が多かったのですが、今月はありがたいことに週末だけがどんぴしゃで好天!
お陰さまにて、月に一度の里山活動定例会は気持ちよくお山の春を楽しめました!
今月は、土曜日に里山草木染め、種籾選別作業(唐箕かけ)、果樹園ハニカム枠作り。
二日目の日曜日は、小屋づくりの土台編〜セメント柱打ち。
プロジェクト2年目を迎え、今秋は里山で感謝祭開催を企画しています。

お山での活動を、ご参加のみなさま、そしてご協力いただいている地域の方々と、感謝とともに味わいたい!

そして毎月の活動を、秋の感謝祭で振り返って楽しもう!
そんな思いが、山主の谷口さん、小屋設計の乙倉さん、そして山の恵み担当の野間の3人から湧きあがってまいりました!
今月から、毎月お山の草木染めが定例メニューに加わりました!
毎月手ぬぐいを1本。お山で育つ山野草を使って草木染めしていきます。
昨年9月のお山の栗のイガを使った里山染めの様子。ご参加の皆様思い思いの絞りで楽しく染めあげました。
今年3月は、枇杷の葉染め。
 
枇杷葉は黄色系の染料。
枇杷葉に多く含まれる黄の色素カルテノイドと布とのコラボレーション。
常緑樹である枇杷は、日照時間が減少する冬の間の光合成をより効率よく働かせるために、また低温下での光ストレスから身を守るため、冬の間にβーカロテンやキサントフィル類といったカルテノイド色素を蓄えます。
この、枇杷の生理的特徴を利用させて頂いて、染料の枇杷葉は晩秋から冬の間に採取されてきたそうです。
(「薬王樹」として知られる枇杷葉。お茶として利用する場合もこの時期採取した葉にはカロテノイドが多く、より高い抗酸化力を見込めるそうです。)
今回使用した枇杷葉も1月にお山の枇杷から採取してきました。(花が咲く直前に採取したものはより色が鮮やかに出るのだそうです。)

 

切り込んだ枇杷葉を煮出した一番煎じ液を濾す。
以前習ったところでは二番煎じ液のみで染めたのですが、ご参加の方から「ぜひ一番煎じと二番煎じ液での染めの違いを実験してみましょう!」とお声を頂き、今回は2種の煎じ液でトライ。
動物性の布との違いを見るために、とご参加のおかさんが絹布をお持ちくださいました。ありがとうございます!!
絹やウールなどタンパク質を含む動物性の布は、植物性の綿布や麻布で行うタンパク質付着前処置の呉汁(または豆乳)漬けの必要がなく、また植物性の布よりもしっかりと染まります。
ご持参いただいた絹布を半分だけ媒染液に漬ける。 染め上がりで変化を確認するための実験!
今回は、二番煎じ液小一時間浸漬(一番煎じ液はその倍)後に、ミョウバン液で媒染し、また染料液に浸漬してから絞って乾燥させました。
カルテノイド色素の多い枇杷葉は色止めの媒染剤(アルミニウム、銅、鉄など)無しでも染まるそうです。
また、染めを終えた後に草木灰などアルカリ溶液に浸漬するとピンクに変化するそうです。
 
里山染め作業の後は、先月の定例会でみなで修理をした唐箕を使って、今年作付けをする稲の種籾の選別。
一度ハーベスターで脱穀作業をし終えた種籾ながら、結構飛ばされてしまうタネがありました。
いただきます!
 種籾選別の後は、お山の恵みランチ。
春の芽生えの野草パワーと春の玄界灘の海の幸をいただきます。

2日前に集落のTさんの罠にかかり、前の晩(3/16)にお届けいただいたばかりのイノシシ肉のソテーも特別参加です!

・里山カラスノエンドウと小豆ご飯のおむすび
・あさりと生アオサと里山野蒜のお味噌汁
・里山キクラゲとネギと蓮根の自家製梅味噌和え
・竹松さんのナバナと玄界灘の生わかめのおひたし
・里山シャク(山人参)の葉と鐘崎漁港鉄釜炊きひじき炒め
・大穂のイノシシ肉のソテー

里山で取れた春の山野草:   野蒜(のびる)、 シャク(山ニンジン)、キクラゲ

 

午後からは里山に入り、果樹園の枠作り。蜂の巣(ハニカム)の六角形の枠を連結させて果樹園を構成します。

今日は、昨年木材を入れたハニカム枠に杭を打ち込み2段目を作り枠を増強させる作業。土が流れてしまわない対策と、外からの草や小動物の侵入を少しでも防ぐ方策。(ご参加者さんから「ウサギはこれ位の枠は跳び越えられるねー」とのお声も!)

使った木材は、山主の谷口さんのお家の昔の母屋で使われていた古材。柱や梁だった痕跡がみられます。

 

翌日3/18(日)は、山の恵み担当の野間が、古賀で開催される「日土水市」というオーガニックマルシェに、むなかたフォレストガーデンとして出張参加。マルシェで焚くロケットストーヴ用の薪材や丸太を集めていただきました!

第8回フォレストガーデンプロジェクト定例会

11月は第3土曜日11/18に定例会が行われました。
この日の活動は、むなかた市民フォーラムさん主催の「ロープレむなかた」(ローカル+プレイ。地域の課題解決のために活動するNPOや宗像の地域資源に触れる体験)の体験会でもありました。

また、大穂に隣接する日の里の子どもさんたちが里山体験に来られていたこともあり、お山が賑やかになりました。

むなかた市民フォーラムさんのレポートに、定例会の内容を詳細に掲載して頂きました。
ありがとうございます!
http://forum-munakata.org/archives/847

この日の主な作業は、お山に植林された杉の間伐材を使ってキノコの菌床箱をDIY。
杉材の選定から採寸、切り出しも全て参加者の皆様で!

 

間伐材は1年以上お山で自然乾燥させ、先月製材所で材に仕上げて頂きました。
製材所から頂いてきたままお山に積んであった端材の保管場で悩んでいましたら、
現役の木こりさんである進藤さんがあっという間に問題解決してくださいました!


参加者の石橋さんもご一緒に端材で杭を作り出して、雨のあたりにくい杉の木の根元に土台を敷いてさささっと置き場を設えてくださいました!

たまたまその日に進藤さんに見つけて頂いた、倒壊寸前の立ち枯れ杉の木が置き場の土台にぴったりハマりました!

 

市民フォーラムさんのレポートに出ている、母子草の草餅。

このハハコグサは、お山に自生している野草です。

草餅といえばよもぎをすぐに思い浮かべるかと思いますが、もともとはこの母子草を

使っていたのだそうです。ただ母子草の新芽(お餅にしやすい柔らかい新芽の状態)の時期が限定されているため、次第に年中手に入るヨモギが草餅の原料として選択されるようになったのだそうです。
ハハコグサはクセがなく、繊維も少なくさっぱりとした風味のお団子になりました。
ヨモギの芳香成分(チネオール)は、実に薫り高いのですね。

違う素材の草餅を食してみると、結局のところヨモギが選択され人口に膾炙した理由がわかります。

母子草の草餅にはきな粉とあんこを添えました。


山の恵みランチでもいとこ煮で登場した小豆。

11/18は、ちょうど新月の日でした。

太陰暦で暮らしていた昔の日本では、新月には小豆を食す習慣がありました。

これは、新月で新たに流れが切り替わるそのタイミングに、小豆の持つ排出作用で

体の中の流れも新たに切り替えていく、ということなのだそうです。

いま菌床箱には、粉砕した竹のパウダーが入り、先日組み立てた簡易ビニールハウスの中で菌のつくのを待っています。

来月、12/16,17の第9回定例会からは、いよいよ乙倉さんの小屋づくりが始まります!
そして、お山の棚田で採れたお米の脱穀作業も。

お天気しだいの作業が多いです。どうかお天気よくなりますように!

天日干し用の稲架(ハザ)の掛け方、馬の建て方 教わってきました!

むなかたフォレストガーデンの棚田では、天水・天日乾燥による無農薬米を今年は4種栽培しています。

5月に田植えしたコシヒカリが刈りどきを迎えましたので、コシヒカリの稲刈り、天日干しを行いました。

天日干しとは、刈り取った稲束を稲穂を下に向け、竹を組んで建てた馬の上に架け並べ天日乾燥する方法。
ほぼ20%位の水分を含んでいる刈りたてのお米を、15%位の水分量まで乾かすとカビることなくお米を保存することができるそうです。
20日間、約3週間の時間をかけて、自然の風に吹かれながらじっくりと種籾の中の水分を飛ばして行きます。
日中受ける強い日光の熱量を夜氣に当たりながら休ませる、この日夜のバランスも味をよくする要素だと言われています。
また、稲穂を下にすることで、藁(茎)の部分に残っている糖分が種籾に吸収される、という説もあります。
10/25。
ご縁をいただき、竹の馬の建て方と稲束の架け方を教わる機会に恵まれました。

ご指南くださったのは、福岡東部の田圃で稲作を続けて11年目を迎えられる、古賀の鈴木浩行さん。

福岡・宗像にも吹き荒れた10/22の台風21号、一夜明けたフォレストガーデンの棚田には、無残にも倒壊した竹の馬と崩落した稲束が。。。。
馬を建て直し、ハザ掛けをやり直す作業は、なんとも悲しいものです。
より強固な馬の建て方を模索していた、ちょうどそのタイミングで、この機会を頂きました。
鈴木さんの田圃に着くや、整然と並ぶ稲束の始末が美しい馬に目を奪われました。
良い仕事、というものはどの分野の仕事でも凛として美しいものです。
三角錐の均衡により安定する構造が、馬の脚を構成する三本の竹。
鈴木さんは、この三本の竹を3本まとめて紐でくくるのではなく、二本の竹に斜交を加えるように残りの一本を足されています。
二本の竹がクロスしたV字部に長尺の竹を載せて、竿竹とする。三本の竹ではなかなか安定性に良いV字を作りにくいのですが2本の竹なのでV字が作り易い。
鈴木さんの田圃に、目から落ちた鱗を500枚ほど放置してきてしまいました。
驚くのは馬の建て方だけにあらず!でした。
稲束の掛け方。これが安定していると束がくるっと回転しなくなり結果、稲束の落下だけでなく馬の倒壊も防げるのです。
今まで習った掛け方は、稲束を細:太(2:8または3:7)に分け、細、太、細、太、と交互に掛けていく、というもの。
鈴木さんに教えていただいたやり方は、ここに一工夫入っていました。
細:太(3:7)に稲束を分け、交互に掛ける。ここまでは同じです。
一工夫は、ここから。
細い束を鯖折りにして掛ける。そうすると太い方の根元は地面に垂直に、細い方の束の根元は地面に平行に、そして稲束の分け目の箇所は竿竹に垂直に掛かります。そして、細い束の稲穂は直前に掛けた太い束の稲穂に編み込むように差し入れます。
これを交互に繰り返します。そうすると太束に細束が引っかかる井桁のような構造となります。
ハザ掛けの工夫を知り、目から鱗がまた500枚落ちてしまいました。
鈴木さんご多用の折、丁寧にとてもわかりやすく教えてくださりありがとうございました!!!
これまで、なんとなーくあまり考えずに教えてもらった手順通り真似ていただけでした。
身を以て痛い失敗を経験すると、なぜその工夫なのか理解の深さが俄然変わってきます。
鈴木さんご自身も色々な方の手法を取り入れて、今の手法にたどり着かれたそうで、
「11年稲作をやってるんだけど、まだ11回しかやれてないんだよね。毎年毎年色々な条件が変わってくるから、いつもさらに工夫するところがある。」
と、概ねこのようなことをおっしゃっていた鈴木さんの言葉がとても印象に残りました。
農的営みは、科学そのもの。
観察と思考、工夫の積み重ね。
この科学に基づいて行われる農的営みは、とても効率がよく、作業も早い上にやり直しも少なく、収穫も大きい。そして仕上がりは、美しい。
馬の先端にぴょこんと穂の部分が突き出ている稲束が気になり、質問してみました。
鈴木さんにこのやり方を教えてくれたおばあちゃんがおっしゃるには、先端に穂を出しておくとスズメの足場がなくなるので、スズメ害を防いでくれるのだとか。
「どうなのかな?とも思うんですよね。これで本当にスズメの足場がなくなるのか。
でも、まぁこの穂が出ているのは見た目に可愛いですよね。なんでもかんでも理詰めで論理が立たなくても、こんななんかいいよね、というのも良いかなぁ、と思って取り入れてます。」
おもしろい。

第6回フォレストガーデンプロジェクト定例会レポート その壱

第6回フォレストガーデンプロジェクト定例会 レポート その壱

#グランドデザイン #里山ミーティング  #柿渋

今年1月からお山全体の里山保全活動としてスタートした、フォレストガーデンプロジェクト。
第6回目を迎える活動。
新しく参加の方々も多くあり、プロジェクトが目指していることやグランドデザインを、
ご参加の皆様と共有し、またそれぞれの方々がお持ちの思いやヴィジョンも場に出していただく
里山ミーティングを行いました。

8/19(土)午前中
柿渋づくり用の青柿採り。
お山に10本ほど植えられている柿の木。どれも40年以上のベテラン渋柿。今年もたくさんの実をつけています。

お盆を過ぎると青柿はタンニンをその実の中に豊富に蓄え始めます。そのタンニンの渋みを発酵させて、天然の防水剤として作られてきたのが柿渋です。

フォレストガーデンプロジェクトでは、今後の活動の中で休憩所や調理の場としてあずまやを建てる計画があります。そのあずまやの木材に防水剤として使うための柿渋。お山で採れた材を里山活動に関わる人たちの手で作っていく。
循環するお山の恵み、フォレストガーデンプロジェクトの根幹です。
参加者の方の中にスコップ使いの達人がいらっしゃいます。柿の果樹エリアに入る斜面の階段づくりをお願いしましたら、木の根を上手に利用されてしっかりしたアプローチをあっという間に拵えて下さいました!
渋柿の木のエリアには旬を迎えたイチジクの木も10本ほど。
食べごろの実の見分け方をご参加の方々に見ていただいて、実際に採れたてイチジクをご堪能いただきました!
このイチジクはおおよそ樹齢30年。
数十年先にも食べられるものを未来の子孫たちに、と植えられた先代の思いと慧眼に頭が下がります。
イチジク / ミント水 / 赤紫蘇シロップ
今回のお山ドリンクは、裏庭からの摘たてミントをお水に漬けただけミントの香りミント水と、お山に自生している赤紫蘇とメープルシロップ、シークワーサージュースで作った、赤紫蘇シロップ。今が旬の赤紫蘇が大地から吸い上げたミネラルをいただきます。
 
山を降りてシェアハウスにてお山の恵みのお昼ご飯。
炊きたてご飯でおむすび大会。
具材は、菜園で育ったえごまの葉の味噌炒めとおかか梅の2種。
アチアチ、とあたふたしながら結ぶ人あり、静かにサクッと結んであるおむすび達人あり。
お庭で採れた荏胡麻の葉で包んだ旬の香りのおむすび

 

人の数だけおむすびの形がある。
おむすび大会は今後毎回実施を決定しました!
旬の茄子と厚揚げのお味噌汁、ひじきとかしわの炊いたん、かぼちゃの炊いたん、などなど。
デザートには谷口さんのお土産の伊万里梨。
 
お腹がくちくなったところで、里山ミーティング開催。
活動の現場となる里山には、多種多様な動植物が元気に息づいて賑々しく豊かな自然の営みが見られます。
そして、山主の谷口さんのおじいさま、おばあさま、その前のご先祖の方々の智慧と工夫、思いが脈々と生かされている、
ひとと自然の調和のとれた里山空間です。
やまは、人の手が入らなくなるとあっという間に森に還っていくという性質を持っています。
里山は、そんな力強い自然の生態系とひとの営みをつなぐ中間地。
循環型の持続可能な農的活動など、ひとの営みが続いていくことで保たれる里山空間。
フォレストガーデンプロジェクトは、100年先に里山というひとと自然の調和のとれた空間を、そしてそこに息づく生物の多様性を継いでいく活動。
参加する人たちお一人おひとりの力と思いで育っていく里山です。
 
ご参加の皆様から、プロジェクトのお山を通じて持つことになったお一人お一人の里山観を共有させていただきました。
・ワクワクする場所。
・何かが育っているところ etc…
<続く>
防猪の夏 電柵ピリリ

防猪の夏 電柵ピリリ

8/16 防猪第2弾。 棚田周囲を一周する電柵の電源を新調。ようやく微電ながら電柵が機能し始めました。
かなりの距離になるため、電圧が上がらないのだそうです。チェッカーで見ると2000vにも達しておらず。。

棚田4枚をぐるりとかこうように電線を張るためには、まず周囲部の草刈り作業から。
棚田、ということは平坦なところはほぼ無く。。。周りは土手や70度くらいはあるのでは、という急斜面、田圃の水路などなど。。
張り終えた電線をつないでスイッチをonにしたところ、どうも機能していない様子。

電池を求めて翌日、JAの農機具販売所へ。
たまたまメーカーの方がいらっしゃり、詳しく伺ったので備忘録です。

  • マンガン電池(定価¥4320)は2ヶ月で交換必要 (昼夜連続使用では1か月)
  • このアニマルキラー一体(本体標準価格¥45,780)で送電できる電線距離は3.5キロメートル
  • 外部端子で接続すれば、12vの蓄電池(車用)を電源として使用可!

そして、製品の取扱説明書もいただいたので読んでみると、斜面からは少し場所を空けることを推奨している記述が。
斜面の上の方から猪突猛進してきた勢いで柵がなぎ倒されてしまうのを防ぐため、だそう。

やはり、トリセツは大切です。

新調した電池で無事に電流が流れ始めました。あっさり。

電柵の装置を増設するには4万円以上かかります。竹や木材を使った柵の設置など、電柵以外の方法も模索してみたいと思います。

お百姓先輩からの耳より情報で、猪は竹が置いてある地面を好まないとのこと。
早速電線の真下あたりに筏のように並べてみました。


侵入しようとした時に竹がコロコロ回転して、スッテンコロリしてくれることを期待しています。

(定点カメラを設置してその瞬間を見てみたい!!)

猪さん方いらっしゃ〜い!箱罠設置!

 

8/4(金)田んぼに侵入した猪の痕跡発見!

5月に田植えした一番上のコシヒカリの棚田にイノシシが侵入してしまいました。。。
かなりの踏み荒されよう&順調に出穂して生育していた籾が食べられてしまっています。。。。。

電柵張りも大量の下草で思うように捗らないでいた8/8に、素晴らしい救世主が!!

宗像の光岡地区で無農薬のお米づくりをされている「農業福島園」の福島さんに箱罠を設置していただきました!!!


箱罠猟の免許もお持ちの福島さん、以前に仕掛けていたお山からの罠移設を考えておられたタイミングと大穂のお山の防猪ニーズがぴったり合いました!!

 

まずは、今までの仕掛け先からの箱罠運び出し。
底に敷き詰められた土を取り除くと100kgほどになる箱罠を軽トラに載せるために、ささっと設えられた竹の滑り台。切り出した竹をガードレールに固定して作られています。ある物で道具を作り出す現場力そしてチェーンソーを小刀のように自在に扱うそのお姿に農家さんの百姓力を魅させていただきました!!

竹の滑り台
竹滑り台を降りる箱罠

 

Forest Garden Projectの行われている里山は、棚田を囲う谷間地にあります。樹木が生い茂る山稜部は隣の集落の山林と繋がっています。猪や鹿、穴熊などの野生動物は山林部を伝って、縦横無尽にこの辺りを移動して暮らしています。山林部は野生動物の居住区。圃場や棚田のあるエリアは人の暮らしの場。人の暮らしの場と動物の場との間に人の営みの場を置き、一線を画しつつ共存する、それが里山。

人の暮らしの場である田圃に野生動物が自由に出入りしなくなる仕掛けの一部として、電柵や箱罠があります。

 

棚田の土手の上の段のエリア、先代の山主さんの時分には里芋畑であった泥濘みやすい圃場。今は間伐杉の丸太が置かれた広場になっています。

その広場に5〜6つの新鮮な「ぬた場」を発見しました。
(ぬた場:「沼田場」猪や鹿など野生動物がぬかるみに体を擦り付け体についた虫や汚れを泥に落とす場所)

そしてこの広場の直下にあるのが、今回猪の被害にあっている最上段の棚田。防護対策は急務。

山林部から棚田方面へとつけられていた猪の通り道やぬた場との位置、そして軽トラから上げ下ろしし易い場所を選んで箱罠を設置しました。

まずは草刈り。福島さんの刈り払い機の扱いがとても無駄がない動きで参考になりました!

 

設置した箱罠の底部の金属の部分が全て覆われる位まで土で覆います。

福島さんから、設置の方法と罠の仕組みのガイダンスを受け、何度か自力で仕掛ける練習をしました。

設置してから1〜2ヶ月はその場に馴染ませるために放置。(すぐには掛からないそう。。。)

あとは罠の周りと罠の中に餌となるトウモロコシや米糠を撒いて、ひたすら待つ。

猪さん方いらっしゃ〜い!