第13回定例会 その一 2018年3月17日

第13回定例会 その一 2018年3月17日

3/17(土)18(日)は、フォレストガーデンプロジェクトの里山活動定例会でした。
昨年までは土日に雨天が多かったのですが、今月はありがたいことに週末だけがどんぴしゃで好天!
お陰さまにて、月に一度の里山活動定例会は気持ちよくお山の春を楽しめました!
今月は、土曜日に里山草木染め、種籾選別作業(唐箕かけ)、果樹園ハニカム枠作り。
二日目の日曜日は、小屋づくりの土台編〜セメント柱打ち。
プロジェクト2年目を迎え、今秋は里山で感謝祭開催を企画しています。

お山での活動を、ご参加のみなさま、そしてご協力いただいている地域の方々と、感謝とともに味わいたい!

そして毎月の活動を、秋の感謝祭で振り返って楽しもう!
そんな思いが、山主の谷口さん、小屋設計の乙倉さん、そして山の恵み担当の野間の3人から湧きあがってまいりました!
今月から、毎月お山の草木染めが定例メニューに加わりました!
毎月手ぬぐいを1本。お山で育つ山野草を使って草木染めしていきます。
昨年9月のお山の栗のイガを使った里山染めの様子。ご参加の皆様思い思いの絞りで楽しく染めあげました。
今年3月は、枇杷の葉染め。
 
枇杷葉は黄色系の染料。
枇杷葉に多く含まれる黄の色素カルテノイドと布とのコラボレーション。
常緑樹である枇杷は、日照時間が減少する冬の間の光合成をより効率よく働かせるために、また低温下での光ストレスから身を守るため、冬の間にβーカロテンやキサントフィル類といったカルテノイド色素を蓄えます。
この、枇杷の生理的特徴を利用させて頂いて、染料の枇杷葉は晩秋から冬の間に採取されてきたそうです。
(「薬王樹」として知られる枇杷葉。お茶として利用する場合もこの時期採取した葉にはカロテノイドが多く、より高い抗酸化力を見込めるそうです。)
今回使用した枇杷葉も1月にお山の枇杷から採取してきました。(花が咲く直前に採取したものはより色が鮮やかに出るのだそうです。)

 

切り込んだ枇杷葉を煮出した一番煎じ液を濾す。
以前習ったところでは二番煎じ液のみで染めたのですが、ご参加の方から「ぜひ一番煎じと二番煎じ液での染めの違いを実験してみましょう!」とお声を頂き、今回は2種の煎じ液でトライ。
動物性の布との違いを見るために、とご参加のおかさんが絹布をお持ちくださいました。ありがとうございます!!
絹やウールなどタンパク質を含む動物性の布は、植物性の綿布や麻布で行うタンパク質付着前処置の呉汁(または豆乳)漬けの必要がなく、また植物性の布よりもしっかりと染まります。
ご持参いただいた絹布を半分だけ媒染液に漬ける。 染め上がりで変化を確認するための実験!
今回は、二番煎じ液小一時間浸漬(一番煎じ液はその倍)後に、ミョウバン液で媒染し、また染料液に浸漬してから絞って乾燥させました。
カルテノイド色素の多い枇杷葉は色止めの媒染剤(アルミニウム、銅、鉄など)無しでも染まるそうです。
また、染めを終えた後に草木灰などアルカリ溶液に浸漬するとピンクに変化するそうです。
 
里山染め作業の後は、先月の定例会でみなで修理をした唐箕を使って、今年作付けをする稲の種籾の選別。
一度ハーベスターで脱穀作業をし終えた種籾ながら、結構飛ばされてしまうタネがありました。
いただきます!
 種籾選別の後は、お山の恵みランチ。
春の芽生えの野草パワーと春の玄界灘の海の幸をいただきます。

2日前に集落のTさんの罠にかかり、前の晩(3/16)にお届けいただいたばかりのイノシシ肉のソテーも特別参加です!

・里山カラスノエンドウと小豆ご飯のおむすび
・あさりと生アオサと里山野蒜のお味噌汁
・里山キクラゲとネギと蓮根の自家製梅味噌和え
・竹松さんのナバナと玄界灘の生わかめのおひたし
・里山シャク(山人参)の葉と鐘崎漁港鉄釜炊きひじき炒め
・大穂のイノシシ肉のソテー

里山で取れた春の山野草:   野蒜(のびる)、 シャク(山ニンジン)、キクラゲ

 

午後からは里山に入り、果樹園の枠作り。蜂の巣(ハニカム)の六角形の枠を連結させて果樹園を構成します。

今日は、昨年木材を入れたハニカム枠に杭を打ち込み2段目を作り枠を増強させる作業。土が流れてしまわない対策と、外からの草や小動物の侵入を少しでも防ぐ方策。(ご参加者さんから「ウサギはこれ位の枠は跳び越えられるねー」とのお声も!)

使った木材は、山主の谷口さんのお家の昔の母屋で使われていた古材。柱や梁だった痕跡がみられます。

 

翌日3/18(日)は、山の恵み担当の野間が、古賀で開催される「日土水市」というオーガニックマルシェに、むなかたフォレストガーデンとして出張参加。マルシェで焚くロケットストーヴ用の薪材や丸太を集めていただきました!

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acupuncture practitioner

鍼灸師。百姓修行中。 鍼灸の臨床を通じ、暮らし方を含めた身体づくりの必要性を痛感。 自然栽培農法、発酵食、永続可能な里山のある暮らしにその可能性を見る。 パーマカルチャーデザイン・実践コース修了。 2016年夏より宗像に移住。100年先につながる循環型里山保全を目指している。